論より証拠: 大規模なセキュリティプログラムのデータ管理とビジュアル化

業界を問わず、ビジネスにとって最善の決定を下すためには、データにアクセスし理解することが不可欠です。Salesforce セキュリティがアナリティクスを活用して大規模プログラムを管理する方法と、CRM Analytics を活用して適切な情報を適切な人へリアルタイムで届ける方法をご紹介します。 
論より証拠: 大規模なセキュリティプログラムのデータ管理とビジュアル化

決定にはデータが必須です。選挙の結果、世界中に届けられるワクチン、よりサステナブルなサプライチェーン、プロジェクトの完了、問題解決…これらはすべて、データの可用性と理解の上に成り立っています。また、企業、政府、消費者などのデータの安全性を確保することは必要不可欠です。大規模な技術プログラムやセキュリティプログラムのマネージャーにとって、これを達成するには、関連性があるデータにアクセスし、理解できることが極めて重要です。

Salesforce では、数百の社内関係者と数千の社外関係者で構成される業界最大規模のセキュリティプログラムを複数管理しています。こうしたプログラムが生成するデータの量は天文学的な数字であり、一部の専門家以外には簡単に理解できるものではありません。こうしたときに役立つのが、リアルタイムの分析と単一の信頼できる情報源です。

データは適切な質問に答えていますか?

関係者が責任者か、説明責任者か、相談役か、単に情報に詳しいだけかにかかわらず、単一の情報源は、利用者それぞれにとって適切な精度で、重要な質問に対する答えを確実に提示できなければなりません。これまではどうだったか? 現状はどうなっているか? 何を目指しているか? などです。データは以下のものでなければなりません。

信頼できる情報

信号の劣化、つまりデータの質の低下はネットワークだけで起こるのではなく、プログラム管理でも起こります。時間がたつにつれ、または、情報が情報源から離れるにつれ、自然と情報の正確さは失われていきます。すべての関係者が単一の信頼できる情報源 (ダッシュボード) に同意し、それに依存することで、その他のすべての情報が矛盾していたり不完全であったりしても自信を持ってコラボレーションできます。 

過去の記録

信号の劣化に加え、人間は最近のことですら忘れてしまいます。適切なデータ管理プログラムでは、データの機能的「スナップショット」が定期的に行われています。これにより、すべての過去の業務は記録され、アクセス可能となり、ビジュアル化されます。 

セルフサービス

すべてのデータがそろい、関係者がその正確さに自信が持てると、セルフサービスが可能になります。その分野の専門家が、過去の知識や企業に関する知識が豊富だという理由で、プロジェクトにとって不可欠な存在になることはよくあることです。専門家は物事がなぜそうなっているのか、現在の複雑な状況をどう乗り越えればいいのか知っています。専門家自身が悪いわけではありませんが、このような人たちは、プログラムの成否を左右する単一点を作り出し、燃え尽き症候群に陥りやすくなります。すべての関係者が、ダッシュボードや同様のデータツールからセルフサービスで質問の答えを見つけられるようになればなるほど、プログラムの弾力性が高まります。 

非同期でアクセス可能

どこからでも仕事ができるようになった今、非同期データにアクセスできることと、そのデータが正確であることが非常に重要です。リアルタイムのプロジェクトダッシュボードによって、会議、メールの返信、廊下での立ち話を待つ必要がなくなるため、タイムラグが減ります。

では、業務をより効率的に行い、より賢明な意思決定を下すために、これらすべてを達成するにはどうすればよいのでしょうか? CRM Analytics ダッシュボードは、プログラム管理の中心的役割を果たします。Salesforce Platform にネイティブな CRM Analytics を使うと、データの自動化、拡張、ビジュアル化、ガバナンスの確保が可能になり、適切な情報を適切な人にリアルタイムで届けることができます。 

実際の使用例

Salesforce では、インフラストラクチャとサービスを継続的に開発、改善しています。アプリケーション移行プログラムを例に見てみましょう。このプログラムは、顧客の組織 (Salesforce のインスタンス) をレガシーな環境からモダンな環境へ移行することで、インフラストラクチャの最新化を促すものです。このように大規模なプログラムは、法律、契約、インフラストラクチャ、サポートなど多数のチームにわたる非常に多くの関係者を抱えるため、管理が難しくなる傾向にあります。そこで、私たちはこの移行プログラムを立ち上げるにあたり、次のプロセスを使ってプログラム管理ダッシュボードを作成し、取り入れました。 

  • 関係者の調整: 「わかりやすさ」と「わかりにくさ」は紙一重です。関係者が答えを必要としている問題と密接に結びついています。データが多すぎると、真実は雑音にかき消されてしまいます。データが少なすぎると、依存関係は解消されません。関係者の調整と同意がなければ、最終製品は単なるサンクコストになります。関係者のわかりやすさと調整を確保するには、次の質問をすると役立ちます。「すべての関係者が、現在の状態を把握していると自信を持って言えるようになるために必要な透明性を確保できる、最小限の情報量はどれくらいですか?」 
  • データ収集: そのデータはどうやって収集されるのでしょうか? Salesforce では、ご想像のとおり、Salesforce org を利用して作業項目や作業状況を追跡しています。組織に複数のデータソースがあると、すべての業務を追跡するために、1 つのデータセットにまとめて入れておきたいと思うでしょう。CRM Analytics に含まれるデータ管理ツールと抽出、移行、読み込み (ETL) ツールが、複雑なデータフローを支援します。 
  • ダッシュボードの開発: ダッシュボードについては、タイムライン、業務のバックログ、計画と実績の比較、保留、阻害要因、特有の作業種別を特徴としたデータフローとダッシュボードを開発しました。Salesforce の実用最小限の製品 (MVP) は、驚くほど短期間で構築できました。1 人の開発者が、数週間でも数か月でもなく、数日で完成させました。 
  • 継続的な改善: 時間が経過し、過去の決定事項がイベントによって変更を余儀なくされるたびに、プロジェクトマネージャーはダッシュボードを継続的に更新し改善する必要があります。まずは、実用最小限のものを目標にすることから始めます。シンプルで、たとえ不完全な第一草案でも、プロジェクトが勢いを増していけば、関係者はダッシュボードを使うことで得られる価値を確認し、評価できるようになります。 

平凡なものすらないところに、並外れて優れたものを期待すべきではありません。並外れて優れたダッシュボードは、見えない場所にある一見平凡で退屈なデータ要素の集まりに過ぎません。時間をかけて物事を正確に行うと、マネージャーが「コミュニケーションを取る」時間を減らし、毎週の状況報告の時間を減らし、話したことを修正する時間を減らせるという将来的な利益を得られます。CRM Analytics を活用して分析とプログラム管理の課題を解決する方法を学ぶには、こちらを参照してください。

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